光失った妻に芝桜を 黒木敏幸さんと靖子さん夫妻 宮崎

宮崎県新富町の黒木敏幸さん宅の庭で芝桜が満開だ。鮮やかなピンクの花をひと目見ようと、多い日には7千人が訪れる。  25年前、妻の靖子さんが糖尿病で失明した。生きる希望をなくした妻。人が来て話しかけてくれれば気が和むのでは――。夫は、姉の家で見かけた芝桜で庭をいっぱいにし、妻を元気づけようと誓う。酪農業をやめ、庭造りに専念した。  300本の杉を切り、根を掘りおこす。山を削り緩やかな斜面に整え、苗を育て植えた。約2千平方メートルの敷地。休まずに、毎年少しずつ増やしていった。  「黒木さん、今年もありがとう」。あちこ
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