ロシア“テロ”死者137人に 「イスラム国」狙いはプーチン政権弱体化?専門家分析【スーパーJチャンネル】(2024年3月25日)

 銃を乱射する男。銃身からは火花が飛び散っています。SNS上で拡散したとみられる実行犯が撮影したとされる映像。独立系メディアは服装などが当局の公開した容疑者と一致していると指摘しています。  テロの標的になったのはクレムリンから約17キロ離れたコンサートホールでした。内部は実行犯が放った炎によって原型をとどめないほどに焼け落ちています。このテロによる死者は137人に上っています。 献花に訪れた人 「考えられない。小さな子どもたちまで被害に遭いました」  ロシア政府が「追悼の日」と定めた24日、ホールの前に設置された祭壇には犠牲者を悼む市民が長蛇の列を作り、プーチン大統領はモスクワ郊外の教会で祈りを捧げました。そのプーチン大統領、テロが発生してから19時間後には…。 プーチン大統領 「実行犯はウクライナ方面へ逃亡を図ろうとした」  テロとウクライナの関連を示唆していました。ただ、ゼレンスキー大統領は「責任を転嫁している」とプーチン大統領の発言を否定。  アメリカ政府当局者も「イスラム国」から犯行声明が出ていて、それを疑う理由はないとしています。  ウクライナに矛先を向けるのはプーチン大統領の防衛術だと専門家は話します。 明海大学 小谷哲男教授 「近年、まれに見るテロ攻撃を許してしまったということで、(国内の)批判をかわすためにも今回のテロ事件とウクライナに何らかの関連があるということをほのめかしていると思う」  では、犯行組織にはどんな目的があったのでしょうか。  小谷教授によりますと、「イスラム国」にはシリアの内戦やチェチェン紛争でロシアがイスラム教徒を弾圧したことへの怒りがあるといいます。そのうえで、大統領選直後というタイミングにも意味があったと指摘しています。 明海大学 小谷哲男教授 「大統領選の前もプーチン大統領は『自分こそがロシアの安全を守れるのだ』ということを繰り返し主張していたが、その大統領選の直後にテロをやることでプーチン氏の主張を弱める狙いがあったのでは」 [テレ朝news]
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